am1:00。
宝塚に着いた。
僕が知らないオトンの事をいっぱい教えてくれていた『おっちゃん』が亡くならはった。
年末に会い来た時もしんどそうやった。
僕はこれまで、オトンとはずっと距離を置いている。
家族しか知らない一面を持っていたオトンとはどうしても話す気になれなかった。
そんな僕に対して、
子供の頃のオトンの性格や、おっちゃん含む弟達皆が、オトンに支えられてた事を日頃から話をしてくれていた。
偏った僕の考え方を察して、話してくれていたんだと思う。
それでも、頭では分かっていても、どうしても顔を会わせることも、言葉を交わすことも避けてきた。
色々迷惑も掛けてきてるから、会わせる顔も無かったし。
僕の中ではおっちゃんの方がオトンみたいな感覚に近かった。節目、節目では必ずおっちゃんの存在があった。
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おっちゃんの棺を前にして改めて思った。
1回、ちゃんとオトンと話そう。謝るところは謝ろう。
おっちゃんが荼毘に付されて、ホンマに居らんようになる前にちゃんと話そうと思う。
その後、ちゃんとおっちゃんに御礼を言おうと思う。
もう大丈夫とは言えんかも知れんけど。
例え親子であっても、人生なんて各々違うし、幼少の頃からオトンがどんな気持ちで生きてきたかなんて、本人にしか分からない。
満足いく人生を過ごしているかどうかなんて、僕らが分かる訳がない。
けど、オトンがどう思うかは知らんながらも『ありがとう』『すみません』をちゃんと伝えないと、離れて暮らしている分、親子やなくなる気がしてきた。
そんなオトンは、疲れているのか、今は隣の部屋で熟睡中。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
僕はこれを書きながら、今もおっちゃんの棺の横で一人でビールを飲んでいる。
おっちゃんは僕の中で無二の存在やった。
……ただ寂しい。
僕は甥っ子達に、おっちゃんの様な事をしてやれてるだろうか?